自分で商品やサービスを作ってみると、通常、企業で行われているマーケティングの弱点がよく見えてきます。そこで、マーケティングだけでなく、事業を作る側だからこそ見えた「WEBサイトで売り上げをあげるための方法」について、解説します。今、会社でマーケティングを担当している方(特にマーケター側というよりも担当者の方)は、何か参考になることがあるかもしれません。
顧客に話を聞かない
これ、本当になんで?!って思うのですが、自分の想像や経験則で改善しているだけで、顧客の声を聞きにいかないんですね。数字でしか改善点を見つけ出せないというのは、けっこう遠回りだったりします。顧客の声を聞かないと、下記の問題が発生しやすいです。
- 見当違いの改善をしていた
- どうやって顧客がそのWEBサイトを見ているか認識できない
- 何が顧客の欲しい情報なのかが理解できない
まず、顧客のところに足を運んで、WEBサイトを見せましょう。そして、WEBサイトを読んでいる様子を、隣で観察してください。どこで視線を止めるのか、なぜ止めたのか、どこを読み込んでいて、そもそも欲しいと思ったのか。ヒートマップツールよりも、よっぽど詳細にデータを取ることができます。
そもそもマーケティングになると、定量データを過信しすぎているようなイメージがあります。本来、売り上げが上がるということは、人間の欲求や心を掴むことですので、定量データだけだと読み込めない心理的なデータがあります。例えば、何か違和感があるとか。内容はいいけど欲しいと思わないとか。それがなぜなのかを速攻で判断するには、直接顧客に会うのが一番です。
もし顧客に会えないのなら、コミュニティを作るなどして、常に顧客と会えるような体制を整えましょう。その方が、断然に効果はあがります。すでに仕事をしている顧客がいるなら、顧客にこっそり聞いてみると良いでしょう。嫌がられるかなと思う方も多いと思うのですが、僕自身が試して、そんなに嫌がられたことはありません。
ニーズがない、または、商品自体を改善する機会がない
新規事業の場合、そもそも商品やサービスにニーズが無いことも多いです。すでに売れると検証された商品やサービスを売るのは、楽です。もうすでに、知ってもらえば売れることが確定しているのですから。ところが、そもそも商品自体が売れるものでなければどうでしょう。売っても売れません。または、一時的に使ってもらえても、リピートはしません。
だからこそ、商品やサービスを改善する機会が必要なのです。マーケティングをしていると、商品やサービスに関する情報や声がたくさん集まってきます。集まった声を受け取って、プロダクトを改善する機会がなければ、いくらマーケティングをしたところで、最終的には売れません。
ところが大抵の企業の場合、商品やサービスを改善する部門と、マーケティングをしていく部門が別れています。その2つは、ほとんど交わることはありません。そしてプロダクトが求められていないことに気がつかず、どうにか小手先で売ろうとし、大量の予算をかけたのに長期的には見放されていく、ということが起きてしまいます。
そもそものニーズを確認しましょう。プロダクトが求められているのかどうなのか、しっかり確認し、求められていないのなら、すぐにプロダクトそのものの改善を試みましょう。マーケティングはあくまで良いものを売るための手段であって、悪いものを売る手段ではありません。
適切なストーリーが組まれていない
WEBサイトに、購入してもらうためのストーリーがありますか? たとえば、画面を開いて、いきなり簡単な商品説明とボタンだけあっても購入なんてされません。まずWEBサイトを開いた顧客が、何を考えてWEBサイトに到達したかを考えましょう。広告やブログ、SNSなど、どこから彼らはやってきて、何を考えてWEBサイトにやってきたのでしょうか。
初めてWEBサイトを訪れた人たちが、最初に欲しい情報とはなんでしょう。何がそこにあれば、次まで読み進めてくれるでしょうか。ユーザーの思考を、深く読み込んでみてください。そうすれば、一体どんな情報が最初にあればいいか、理解できてくるはずです。
そして、最初の情報で興味を掴んで読み進めた時、どんな順番でなんの情報をおけば、顧客は商品やサービスに興味を持ってくれるでしょう。読み進めていく顧客の気持ちや興味、疑問を抱く流れを把握してください。
例えば、最初にプロダクトに興味を持てば、次にどんな人が使っているのか、自分が抱えている問題を解決してくれるのか知りたくなります。なら「こんな問題を抱えていませんか?」として、プロダクトが解決できる問題を表示してみてはいかがでしょうか。自分の問題を解決できるとわかれば、もっと興味は深くなり、今度は実績を見たくもなるでしょう。
このように、WEBサイトは読み進めるにつれて、同時に顧客の心理も移り変わっていきます。その移り変わりに応じてコンテンツを出し分けていくことにより、さらに顧客の興味を引き出すことができるのです。
情報が足りない
シンプルで格好いいWEBサイトを求めすぎて、なんの情報も伝わっていない場合もあります。よくシンプルで格好いいWEBサイトと言うと、appleのWEBサイトが引き合いに出されますが、よくAppleのサイトを見てみてください。かなり情報量の多い、ごりごりの獲得系ランディングページです。
情報量は多くていいことはたくさんありますが、少なくて良いことはありません。情報量がたくさんあると、ユーザーが混乱するという話もありますが、整理の仕方1つで、スッキリもします。逆にごちゃごちゃした方が、情報量が多く訴求力が強まる場合もありますし、とにかく詳しく説明するべきです。少なくとも、下記の内容は用意してください。
- キャッチコピー
- 商品やサービスの概要
- お客様の声や実績
- よくあるご質問
- 解決できる問題
- 問題が解決できる裏付け
- 今だけ、限定など背中を押す情報
- できれば何らかの保証
WEBサイトやランディングページを使ってプロダクトを売る時に、一番しなければならないのが、必要な情報を集めることです。情報がしっかり揃っていなければ、綺麗なサイトを作っても売れません。まずは必要なコンテンツを可能な限り集め、顧客の興味を引き出せるようにしましょう。
キャッチコピーが悪い
WEBサイトにアクセスして、最初に目にするのは、大抵キャッチコピーです。ブログのタイトルと同じで、キャッチコピーが悪ければ、その時点で離脱されてしまいます。キャッチコピーには、徹底的にこだわりぬきましょう。
キャッチコピーは格好よさよりも、具体的に何の問題を解決できるかを表現した方が、基本的に成約率は高いです。よく格好つけて詩的なキャッチコピーを考えがちですが、一般的なプロダクトだと効果は出ません。
格好いいキャッチコピーは、ブランド力があるからこそ活きるものです。まだ、どんなプロダクトなのかも認知されておらず、ブランド力も低い状態では、それほど効果は生まれないケースが高いです。
あなたの抱えている問題を解決できる、ということや、人生が有意義になる具体的なメリットをキャッチコピーに込めることで、より初見で興味を持ってもらうことができます。ほんの数行、数十文字で伝えることのできるコピーを考えましょう。
コンバージョンを急ぎすぎている
高額サービスや商品で特にありがちなのですが、WEBサイトを通じていきなり購入を促すケースがあります。ただ、高額であればあるほど、購入に迷いが出ますし、それだけ信頼感が必要なので、購入までに時間をかけて信頼感を獲得していく必要があります。
だからこそ、いきなり売るのではなく、LINE公式アカウントなどに登録してもらって、相手が欲しい情報などを無料で提供します。すると、サービスや商品の質も同時に伝えながら信頼感を構築していけるので、高額なプロダクトも買ってくれるようになるのです。
このように、見込み顧客を育成するためのステップを、間に挟むべきかもしれません。WEBサイトはひとまずリストを獲得したり、LINE公式アカウントに登録してもらったりするステップとして使い、本当の購入は一通り見込み顧客育成が完了した後で購入してもらう、という方法が良いこともあります。自分のプロダクトの属性に合わせて、コンバージョンの設定を変えてみてください。
無駄なこだわりに時間をかけている
根本的な問題になっていないところに、無駄に時間をかけているケースが多すぎます。例えば、WEBサイトのコーディング等で、数ピクセルのずれのようなことは、正直ユーザーは気にしませんし、デザイナーの職人気質なこだわりを無理に実現させようとしていると言えるかもしれません。
僕自身、最初デザイナー1本でやっており、数ピクセルのずれ、みたいなところに職人的なこだわりを見せて、無駄に時間をとってしまっていた自分を愚かだと反省しています。ほんと、何のためにやってたんでしょう。それよりは早くリリースして仮説検証と改善に労力を使いましょう。その方が確実に売り上げは上がります。
職人芸なこだわりを見せないといけないのは、かなり見た目のブランディングに気を使っている場合だけです。あってもファッションや美容、かなり大きめなブランドサイトになるでしょう。なんなら、ハイブランドなどのサイトであっても、かなり雑だったりします。雑なところは多くても、しっかり仮説検証と改善がなされているので、売れるのです。
また、色やレイアウトを一旦決まってから散々変更する人もいますが、最終的に判断するのはユーザーに他なりません。試すなら、なるべく多くのパターンを試した方が合理的に進められますので、身内だけの机上の議論だけで何度も変更すべきではありません。時間の無駄です。それよりは、早めにリリースしてみて、反応を見たりユーザーと会ったりしながら、改善を繰り返していった方が圧倒的に成果は出やすいです。
無駄なところに時間や労力をかけている場合ではありません。細かいこだわりは、ある程度売れるようになってからで十分です。ただ、誰がみても違和感があったり汚いと思うデザインなどは、胡散臭さを引き立ててしまいますから、さすがに最低限の質は担保しなければなりませんけどね。
まとめ
どうしてもWEBサイトで売り上げが上がらないという方は、ぜひ、今回の内容を試してみてください。一通りの内容を徹底して、売り上げに変化がないことは、まず無いと思います。必ずやっているうちに、どうすべきかという仮説が生まれますし、より顧客の理解も進みます。顧客の理解が進むということは、より求められる作戦を立てられるということで、少しずつでも「こうすればいいんだ!」という発見ができるようになるでしょう。
そして、最後に1つ言えるのが、惰性だと絶対に売り上げは上がらないということです。なんとなくやっていたり、プロジェクトに片足つっこむ程度になるなら、多くの場合、売り上げはあがりません。真剣に顧客と向き合い、試行錯誤して、初めて売り上げが上がってきます。とにかく徹底しましょう。頭が動かなくなるまで試行錯誤し、考え続けましょう。そして試し続けましょう。その先にこそ、WEBサイトを通した膨大な売り上げが待っています。
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