
ライブ配信は昔から数多く行われてきましたが、その収益化方法のほとんどが、投げ銭システムでした。ライブをして、気に入ったらお金を払うという、ストリートライブをして投げ銭をもらうイメージです。
ただ、この方法だと金額は任意のため、どちらかと言えば「アイドル」のように「投げ銭をすることで自分自身の愛情表現」をする文化を持つ分野以外では、そこまで大きなお金ならないことも多いです。
なぜなら、あくまでも自分の自己表現に対してお金を払っているので、音楽の良さや表現そのものにお金を払っているという認識とは少し異なります。
もちろん、純粋に表現やパフォーマンスがよくて、お金を払う場合がありますが、パフォーマンスや表現を売るタイプであれば、普通にチケットや音源を販売した方が、大きなお金になりやすいことも多いです。
そんな時代に生まれたのが、オンラインでライブ配信をする際に、チケットを購入した人だけがオンライン配信を見れる、というチケット形式の配信サービス「STAGEIT」でした。すぐ考えれば生まれそうなサービスなのですが、つい最近まで、提供している業者さんはそんなに多くなかったのです。
ところが2020年、コロナが蔓延して以降、チケット制ライブストリーミングがかなり盛り上がっていて、日本も明瞭期という感じでどんどん新しいサービスができつつあります。
ただ、STAGEITには、単純にチケットを購入してオンラインのストリーミングライブを見る、という仕組み以上に、優れたポイントがあります。なので、今後の参考として、次の項目で、詳しく解説していきます。
記録されない、インタラクティブな体験
STAGEITで行われたライブは、決して記録されることがありません。だからこそ、その1回のライブの希少価値を高め、チケットを購入しても見たいと思わせることができます。
記録されないと言いながら、これは録画ですが、STAGEITのプロモーションおよびサンプル映像です。実際には録画されません。
また、これは投げ銭の仕組みでも同様ですが、リアルタイムでチャットをしてファン同士をはじめ、アーティストとも会話を楽しむことができます。パフォーマンスを楽しむだけでなく、コミュニケーションが1つの楽しみになっているのは、オフラインのパフォーマンスも一緒ですね。
アーティストはどれだけ収益化できるのか。
STAGEITでは、毎日700以上のアーティストがライブを行い、ユーザーはライブハウスやクラブにいく代わりにSTAGEITにログインしています。特にコロナウィルスでパンデミックが起きたあと、STAGEITも例外なくその規模を一気に拡大しました。
それは2019年に売り上げた金額より多い金額を、パンデミックが始まってから、わずか2週間の間で稼いでしまうほどだったのです。その金額は884,000ドルにも及んだそうです。さらに4月4日までの累計は1,378,924ドルにもなりました。
ライブは最低30分行う必要があり、チケットの金額の8割はアーティストに提供されます。これは、通常ライブハウスでライブをするよりも圧倒的に割合として大きい金額ですし、収益化という面ではもはや、ライブハウスよりもオンラインをメインにしても良いのでは、と考えるアーティストも増えるでしょう。
2週間以内で、複数のミュージシャンがそれぞれ50,000ドル稼いだ他、中には 100,000ドル稼いだミュージシャンもいたそうです。さらに2020年4月4日以降においては、日曜日の午後だけで数千ドル稼いだ配信が25回もありました。
だいたい1回のライブの金額は、15セントから、15ドルまでとまちまちです。金額設定は、アーティストが自由に行うことができます。金額は通常のライブよりも小さめですが、その分多くの人がどこからでも参加できる他、コストもかからないので、大きな収益を上げることができるのです。
ちなみに、基本はチケット購入でパフォーマンスを見ることができますが、投げ銭システムも用意されており、チケット購入と投げ銭、2つの収入源をオンライン上で獲得することができます。
もちろん、早期割引の設定もできますし、人数を検定して希少性を高め、ある程度高い金額で販売する、ということも可能です。売り方がアーティストの希望によって選べるのも、STAGEITの特徴と言えるでしょう。
高額チケット上位20人へのプレミアムライブを提供できる。
特徴的なのが、プレミアムライブの仕組みです。一通りショーが終わったあと、より高額なお金を支払ってくれた上位20名に向けて、アンコールライブを行うことができます。
上位20名というのがポイントで、ファンはプレミアムライブが見たいがために、どんどん投げ銭を追加します。これは、どの投げ銭システムでも観測される現象ですが、STAGEITの場合、プレミアムライブという、限定「パフォーマンス」を見たいがために発生する現象だということを忘れてはいけません。
投げ銭システムは、どちらかと言うと「自己顕示欲」「愛情表現」が基本でした。自分が一番のファンであることを周囲のファンに知ってもらい、そしてアーティスト本人にも認知してもらう。これが、投げ銭をするファンの基本心理とのことです。
ところがSTAGEITのプレミアムライブであれば、アーティストの、より限定されたパフォーマンスを見たいからこそ、投げ銭をします。純粋にアーティストとの交流やパフォーマンスへの興味で投げ銭を行うため、アイドルのようなファン心理や収益構造以外にも投げ銭システムが適応できるようになります。
オンラインライブの業界は、より進化する
前述した通り、コロナウィルスの蔓延によって、状況が変化したこともありますが、いかにオンライン上でオフラインで味わったような体験を得られるかに注目が集まっています。これから、5Gが普及して、今よりもさらにリアルタイムで大容量のデータが扱えるとなると、ライブストリーミングを使ったパフォーマンスは、さらに活発化するでしょう。
例えばVRゴーグルを使えば、生の臨場感を味わえるようになりますし、現場に行かなくても、まるで現場にいるような体験が可能になります。さらに、今回の仕組みを使えるのはライブだけでなく、セミナーや対談、勉強会などにも使うことができるでしょう。多くのイベントで活用できます。
ちなみに、日本でもツイキャスなど、複数のサービスが展開されていて、まだまだ進化していくでしょう。むしろ、これから一気に盛り上がっていく業界と言ってもいいです。なぜなら、コロナウィルスの影響で、オンラインで提供される体験の価値を、たくさんの人が知れたからです。コロナウィルス後も、体験の選択肢として選ばれ、業界そのものが盛りがる可能性は大きいです。

これから、チケット式ライブ配信の仕組みは、さらに盛り上がっていくと思いますが、まだまだ進化の余地がある業界です。5Gの時代になれば、さらに活発化してくるはずですので、ぜひチェックしておくと面白いかもしれません。
ツイキャスの他にも、電子チケットの可能性に早くから注目していたZAIKOというサービスが、独自のライブ配信サービスを開始し、チケット制でライブを配信できるようになるとのことです。楽しみですね。さらに、イープラスまで新しいチケット制ライブ配信のサービスをリリースしました。ほんと盛り上がってきました。
なお、今回の仕組み自体は、プラットフォームが無くても実現しようと思えばできます。zoomを使えば、招待制でストリーミングライブ配信が可能になりますので、PayPalなどの各種支払いサービスなどを使いチケット販売した後、購入メールアドレス当てに招待URLを送ると良いでしょう。それで、手軽にライブ配信サービスは実現できるはずです。ぜひ、試してみてください。
STAGEIT
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