起業をしたいと考える方は、現段階で社会人のうち20%ほどだと言われています。ただ、最初の一歩目を踏み出すにも、基本的な知識が足りない、アイディアが無い、どうすればいいか分からないなど、様々な悩みがあるのではないでしょうか。今回は、起業するには、一体どうすればいいのか、その第一歩目について解説していきます。
なお、筆者は自分自身で何度も起業しており、この記事は外部のライターに任せたものでもなんでもなく、自分自身の実体験を元に書いていますので、特にこれから本当に起業したくて、起業するにはどうすればいいのか、お悩みの方にとっては、有益な記事になるはずです。ぜひ、最後まで目を通してみてください。
1. 起業するには「当たり前ですが商品やサービスが必要」
今、起業したいと考えている方は、何を売るのか、商品やサービスは持っていますか? 当たり前のことを言うようですが、何をするか決めないで法人化したり、チームを集めたり、事務所を借りたりして大損する人が多いです。
起業をしたいけれど、何を売るのか決まっていないし、何の事業をやるのかふわっとしたまま、法人化してしまい、無駄な支払いやリスクを増やしてしまう。そんな当たり前で「誰がそんな失敗するの?」と思うかもしれませんが、よくありがちなケースなのです。ドキッとした方いませんか?
後述しますが、法人化はなるべくギリギリまでしなくていい、が鉄則です。まず、何を売るか見つけ出し、実際に売れるようになって、どうしても法人化する必要が出てきた時に、法人化しましょう。
起業するには、最初に法人格より何より、売れる事業が必要なのです。法人を作ったり、事務所を借りたりして、体裁ばかり整えようとせず「自宅から個人事業」として、売れる事業を作ることに、全力を尽くしましょう。
2. 起業するには「法人化はギリギリまでしなくていい」
起業するには法人化が必要だと勘違いしている人も多いですが、そんなことはありません。基本的には個人事業主で売れる事業を作り出して、どうしても法人格が必要になったら法人にする、もしくは絶対に法人化必須の事業をする場合だけで大丈夫です。ギリギリまで法人化しない方がいい理由は2つあります。
2-1. お金の問題
まず、法人化するにも様々なお金がかかります。法人税もかかりますし、基本的には個人の利益が800万円ほど手元に残るようになるまでは、法人化する必要はないとされています。税金をはじめとして、余分にお金がかかるからです。800万円利益が残るとなると、そこそこ事業として顧客がいる状態でなければ、達成できません。売り上げではなく利益です。
2-2. メンバーと株式の問題
お金の問題よりも、こちらの方が問題だと思います。1人で事業をする場合ならまだ良いのですが、複数人で事業をする場合、最初のメンバーが適切かどうか、一緒に働いてみないとわかりません。圧倒的に能力に差があったり、スキルが重複していたり、何をすればいいか分からない人が出てきたり。
メンバー同士のすれ違いなどもある中で、最初に無理やり法人化してしまうと、途中でやっぱりメンバーチェンジした方がいいという結論になった場合、株式はみんなで配分していますから、メンバーを交代するにも面倒くさい手続きや話し合いなどが必要になります。
もっとも、そうしたトラブルを最初に解消するために創業者間契約書などで、途中で離脱した場合の株式の配分などを決めておきます。
ただ、どっちにしろ面倒ですし、初期段階は入れ替わりも激しい場合が多いですので、ぎりぎりまで法人化を避け、うまくやれるメンバーになってから法人化していくことをお勧めします。うまく起業するには、法人化より、まず売れる事業とベストな創業メンバーです。
3. 起業するには「問題を見つけて解決する」
うまく起業するには、まず売れる事業が必要と言いました。ではどうやって売れる事業を作るのかと言うと、まず、事業づくりの基本を抑えなければなりません。Twitter等で僕のアカウントをフォローして頂いている方は、もう何回も聞いたことかもしれませんが、事業とは「問題を見つけて解決する」ことです。
誰かが困っていることや、自分が困っていることがあって、その問題を事業として解決する。誰かが困っていることを、対価を払ってもらって解決するのが事業なので、何か問題を見つけなければ事業にはなりません。自分を含め、誰かが困っているということは、その問題がまだ解決されていない、ということですので、ニーズがあるということです。
もし、問題を自分で見つけるのが難しければ、すれに売れている事業を、さらに進化させて提供しても構いません。ただ、最初から強い競合を相手にすることになりますので、より競合よりも質、価格等で、優れている必要があります。それに、同様の事業をやったとしても、運営していく過程で問題は数多く起こりますので、問題発見と解決能力は、非常に重要になります。
4. 起業するには「事業計画書はざっくりでいい」
よく、起業するには、めちゃくちゃ事業計画を作り込む必要があると考えている人が多いです。ただ、綿密な事業計画は、最初の段階で不要です。どうせ、事業計画通りに進みません。途中でなんども書き直すことになるので、ざっくりでOKです。初期段階で計画を徹底的に作り込むより、事業を作りましょう。
ただ、投資や融資を受ける時もあるので、その時はある程度作り込む必要はあります。それにしても、ある程度事業が形になってから行った方が、投資も融資がおりやすいです。例えば製造業や歯医者のように、最初に数千万〜数億円単位のお金が必要な分野だと、しっかりした事業計画が必要かもしれませんが、そうでないなら、事業づくりを優先しましょう。
5. 起業するには「未完成でも早く試して改善する」
起業するには、躊躇している時間はありません。躊躇しているうちに、考えている事業のトレンドが、去ってしまうこともあります。モチベーションがなくなってしまうこともあります。起業するにはスピードが大事です。とにかく、なるべく早く事業を開始して、改善を始めましょう。
よく「未完成だと始められない」「完璧じゃないと嫌」な人がいますが、天才でない限り完璧主義は起業にとって敵です。売れる事業を見つけ出すのは、当分先のことになるでしょう。なぜなら、普通は一発で売れる商品やサービスなんて見つけられないので、時間や予算だけかけて、挙げ句の果てにニーズがなかった、というケースに陥るからです。
自分がいくら売れると思っても、ニーズがあるかどうかはやってみないとわかりません。あなたがスティーブ・ジョブズであれば、売れると思ったものは売れますが、そうじゃないなら、未完成でも良いのでなるべく早く試して、ニーズの有無を確認しましょう。もし求められているなら、未完成でも売れます。完璧にこだわるのは、そのあとからでも構いません。
6. 起業するには「顧客とよく話す」
売れる事業が何かは、顧客がいつもヒントを持っています。起業するには売れる事業を作る必要がありますが、より高速で軌道を掴みたいなら、顧客に商品やサービスを徹底的に使ってもらって、その様子を観察しましょう。そして、しっかりヒアリングをして、直の声からヒントをもらいましょう。
よく、机上で何が売れる、売れない、こうした機能をつけたほうがいい、など、顧客と話をしてもいないのに、想像上で議論するチームが多いです。ですが、顧客の声を聞くことの無い議論はどれだけしても、ほとんど無意味です。しっかりと顧客がどう感じているか、どんな考えで商品やサービスを使い、どんな感想を抱いているのか理解した上で事業を考えていきましょう。
7. 起業するには「メンバーは最小限で」
よくありがちなのが、仲の良い仲間をみんな巻き込んで起業するケースです。学生起業によくありがちな失敗なのですが、人数が多ければ多いほど、トラブルも増えます。例えばお金の問題。メンバー同士のいざこざ、意見のぶつかり合い。人数が多ければ多いほど、増えます。
うまく起業するには、チームメンバーを最小限にする必要があります。可能であれば、自分1人ではじめた方が良いでしょう。amazonのジェフ・ペゾス曰く、うまく機能するチームは「ピザ2枚」でお腹が満たされる人数とのことです。2枚というと3人、多くても4人というところでしょうか。
それ以上の人数は、トラブルを招き、意思決定を遅くするだけです。常に、最小最速最大を目指しましょう。特にスタート段階は速度と小回りの良さだけが強みですので、可能な限り素早く動ける体制を作りましょう。
8. 起業するには「トレンドに乗る」
よく、良い事業であれば、トレンド関係なく売れる、と言われることもありますが、8割嘘です。2割の確率で売れる可能性もありますが、トレンドに乗っていない事業は、大抵の場合、売れるまでかなりの労力を必要とします。どうしてもその事業、コンセプトで成功させたいという信念がなければ、やり遂げることは難しいでしょう。
良い事業でも、社会に受け入れる準備ができていなければ売れません。例えば1995年に任天堂がVRゲーム機「バーチャルボーイ」を発売しましたが、当時は技術も社会も商品に追いついておらず、売れずに終わりました。ところが今の社会でVRは受け入れられています。
トレンドや社会の状況によって、売れる事業と売れない事業がありますので、うまく起業するには、なるべくトレンドに乗るようにしましょう。
9. 起業するには「ビジョンで人を惹きつける」
良い事業を、さらにユーザーへと浸透させるには、起業そのものにビジョンを持つと効果的です。正直、ビジョンは最初、持っていても持っていなくても良いと思います。僕も一時期、ビジョンは必ず必要なものと考えていましたが、YouTubeの誕生秘話を聞いて、考え方が変わりました。
YouTubeの創業秘話を聞いて、ほんと価値観変わった。
— しょーた@STARTOUT運営してる人 (@shota_ueyama) June 8, 2020
1.出会い系サイトパクるが失敗
2.創業者がジャネット・ジャクソンのエロ動画が見つからなくてイライラしてた
3.もう1人の創業者がパーティーの動画が重くて送れなかった
4.だから動画共有の仕組み作った
5.バズった
ビジョン全部後付け。
少し下品な表現もありましたが、そういう感じです。他にも、たくさんの世界的な事業がありますが、その誕生に関して確実にビジョンが存在するわけでは無いのです。ビジョンよりも「どれだけ便利か」という残酷なまでの事実こそ、圧倒的に商品が売れるきっかけになるのかと思います。
その上で、ビジョンをなぜ持った方がいいかというと、人を惹きつけられるからです。世界を変えるための挑戦、と聞くと、優秀な人はワクワクして関わりたくなるでしょう。ユーザーは共感と共に、自分も大きな物語の一部になったような気もして、本質的な根強いファンになってもらえます。さらに、自分のモチベーションを持続する手助けにもなってくれるでしょう。
ぜひ、自分なりのビジョンを考えてみてください。起業するには、それこそお金や物理的なものだけではなく、気持ちの面で商品やサービスを好きになってもらい、自分自身も社会に有意義な影響を与える充実感があることで、より起業に対して熱を持てるようになるはずです。
10. 起業するには「今すぐに行動する」
最後になりますが、起業するには「今すぐに行動」しましょう。よくありがちなのが「いつかやる」「今はできない」という言い訳を重ねて、結局最後までやらないケースです。いつかやる、と言っている人のほとんどは、大抵、起業しません。今すぐに、やりたいことは、思い立った瞬間に行動することが大事です。
相談に乗っていて、よく聞く言葉。
— しょーた@STARTOUT運営してる人 (@shota_ueyama) February 14, 2020
10代〜20代
「まず経験積んでから行動します」
30代〜40代
「子供や家庭が挑戦を許さない」
50代〜60代
「もう挑戦するには遅い」
チャンスを掴むには行動が必要で、成功した人は
「条件が整わなくても、無理やり走り始めた人だけ」
です。
今すぐ動こう。
はい、今すぐ動きましょう。準備が必要なら、その具体的な準備を今すぐはじめてください。何か目標を実現すると決めた人は、決めた瞬間から実現のための行動をし始めるものです。何も具体的なアクションを始められないのなら、それは気が付いた時には手遅れになるケースです。
今すぐはじめましょう。起業するためには起業しないと実現しません。迷う時間があるなら、一歩を踏み出してください。もし、進め方が分からない方や、もっと詳しく起業について知りたい方は、ぜひWAREHOUSEを使ってみてください。疑問の大半は解決するはずですし、具体的なステップに沿って、自分の事業を作っていけます。
今すぐにでもできることは、いくらでもあります。ぜひ、今回の10の鉄則を意識して、挑戦してみてくださいね。最良の結果を出すための基本的な考え方となってくれるはずです。みなさんの成功を祈っています!
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